【計画2406】結露について解説
今回は、いつもの設計と変わって、建築計画の『結露』についてご説明します。
[結露現象]
- 空気中の水蒸気が露になる現象を、結露といいます。
- 相対湿度100%の飽和水蒸気量を持つ空気(飽和空気)の温度を、露点(温度)といいます。露点は絶対湿度(水蒸気量)によって決まります。
[表面結露]
室内側の壁表面温度が、露点温度より低いと、壁表面近くの温度境界層が露点以下に冷やされ、壁の表面に水滴が付着する現象です。よく見られるのは、窓ガラスの水滴です。
- 表面結露の防止
①壁内の断熱性を大きくする。
・壁の熱貫流抵抗を大きくする。
②壁表面の材料に熱容量が小さいものを用いる。
・室内表面温度を上昇させる。木材等を壁仕上げに使用する。
③室内に水蒸気を発生させない。換気を行う。
・開放型石油ストーブは多量の水蒸気を発生させるので、結露しやすい環境になる。
④壁付近の空気を滞留させない。
・カーテン、タンスなどの家具の裏(5cm程度離す)、押入れ、壁の隅部に風が通るようにする。
・押入れを外壁に面して配置しない方が良い。
・入隅部の空気を対流(循環)させる。
⑤壁の材料に調湿材料を用いる。
・吸湿、放湿作用のある材料。木材、珪藻土など
⑥熱橋(ヒートブリッジ又はコールドブリッジ)部分を断熱する。
⑦隣接する暖房室と非暖房室の2室の温度差を小さくする。
・暖房室を気密化し、非暖房室への水蒸気の流入を防ぐ。
[内部結露]
壁体などの内部で結露する現象です。断熱材内部でも生じ、断熱性を低下させる。
- 内部結露の防止
①断熱材の室内側に防湿層を設ける。
・防湿層は断熱層の室内側のみ。外側は湿度の逃げ道がなくなるので、ダメです。
②外壁側には気密性の低いものを使用する。断熱材の屋外側に中空層を設ける。
③二重窓の場合、室内側を高気密にし、室内側を低気密とする。
④RC造では、冬期の壁体内の内部結露防止は、内断熱よりも外断熱が有利である。また、外断熱工法はヒートブリッジもできにくく、表面結露防止にも有効である。
[ポイント]
・表面結露は断熱材をしっかり施せば防げる。防湿層を施しても防げない。断熱材でシャットアウトしましょう。
・内部結露を防止するには、防湿層を施す。断熱材を厚くしたり高性能にしたりしても効果が小さい。断熱材自体がダメになってしまう。
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