【設計2505】旅館のような出立ちとプライベートな庭
現場での出来事って、図面の話だけじゃなくて、人との会話の中にも思わぬ発見があります。
現在、大阪で新築工事を進めているお宅で、お施主様のお母様とお話する機会がありました。
「昔、電話交換手をしてたんですよ」と聞いて、思わずテンションが上がってしまったのは、僕の祖母も同じ仕事をしていたから。
そこから、逓信省の時代から郵政省・電電公社に分かれて、日本郵便とNTTに至るまでの流れとか、
僕の歴史好きに火がついて(笑)、思わず話し込んでしまいました。
ちょうど最近、朝ドラ『あんぱん』を見ていて、尋常小学校から国民学校、そして学校教育法に基づく今の小学校に変わる背景なんかも知る機会があって、
当時の暮らしや仕事、社会の空気が、少しずつ繋がっていくような気がしています。
さて、そんな現場の温もりも感じながら、今回も[設計]に焦点をあててブログを綴っていきます!
■敷地
敷地は、車通りがまばらな郊外の一角で、西側道路です。
■ご家族情報
お施主様は50代夫婦と子ども二人
家族共通の趣味は、茶道、散歩、キャンプ、旅行
ご要望は、囲われたプライベートな庭がほしい、玄関から来客用と家族用の2種類動線、寝室から庭を眺めたい、客間を兼ねた和室でお茶を点てたい、その和室は離れ感がほしい、全体的に旅館のようなつくり、駐車スペース2台分、車から雨に濡れず家に入りたい、とのことでした。
■設計・動線
道路からのアプローチは、飛び石のような石畳で雰囲気を出しつつ玄関ポーチへと導きました。
玄関に入るとすぐにシューズクローゼットとパントリーがあり、買い物帰りの動線にも配慮。玄関ホールからはリビング、または和室へと繋がります。和室は少し離れ感を持たせ、窓越しにはこじんまりとした日本庭園風の庭を眺められます。
LDKの奥、南東側には主寝室を配置し、キッチンの北東側には水廻りをまとめ、家事の流れもスムーズに。LDKと主寝室からは縁側を通して、プライベートな庭へと繋がります。
階段を上がると本棚のあるホールが広がり、その先に吹き抜けがあり1階のリビング・ダイニングを見下ろせます。ホールからは東西に分かれて子ども室を配置し、それぞれの空間に個性と距離感を持たせました。
今回は、外構や庭も含めた設計とし、建物と外部空間のつながりを意識しました。離れ感のある和室から望む庭、縁側から続くプライベートな庭など、暮らしの中に“余白”を感じられる住まいを目指しました。敷地に建物を建てるというよりも、敷地全体を設計するという意識を大切にしています。
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