新町の家
家族構成 ご夫婦子ども2人
京都府南丹市
通りを少し入った川沿いの土地。新町の家のプランはここから始まりました。
仲が良くそれぞれ趣味をお持ちの4人家族。新生活のスタートから「こういう生活がしたい」という想いが叶うよう、家族全員の好きなことと行動パターンをじっくりお伺いし、家づくりをすすめました。
大学生、高校生のお子さんにも打ち合わから参加頂きました。
LDK
集いながら趣味を楽しむ
床や腰壁には無垢の杉材を使用。全ての木部に天然塗料いろはを塗布しております。これにより飴色に経年変化し、住まれるほどに色合いに深みが増していきます。
天井高を抑えることで、長さ方向のラインが強調され部屋が広く感じられる効果があります。
みんなでリビングにいることが多いという仲の良いご家族がそれぞれ趣味を楽しめる空間。
階段の横には娘さんのピアノスペース。気密性の高い家なのでご近所に気兼ねなく演奏をしていただけます。
キッチンは息子さんが趣味の料理を楽しめるよう、特に使いやすさを追求した部分です。
以前のキッチンではすれ違うのが難しく不便だったそうです。そこで二人で立ってもストレスなく料理ができるよう通路幅にゆとりを持たせています。一般的な有効寸法850㎜~1,000㎜に対し1,300㎜で設計しています。
ガレージから大きな荷物をそのままキッチンに運べる買い物動線も確保されています。
慌ただしい朝に効く、コンパクトな家事動線
キッチン、洗面台、洗濯場を近くにまとめ家事効率が高くなるように設計しました。
水まわり全般は家族の行動パターンから、使いやすい場所を考え配置しているのが特長です。
オープンな洗面スペースとパントリー
キッチン横に間仕切りをなくした洗面とパントリーがあります。
洗面台と続きでカウンターを設け、新たに鏡を置けばパウダースペースとして使うことも可能です。混雑しやすい洗面所もタイミングを気にせずにお使いいただけます。
ご家族の個々の予定などで不規則になることが増えてきたこともあり、脱衣室と洗面スペースは分けたいとのご要望でした。誰かがお風呂に入っている時でも、洗面所を使えるようにセパレート型で設計しました。
リビングに面した脱衣洗濯室
梅雨や花粉などの際、快適に室内干しができるよう、脱衣室には可動式のハンガーパイプが設けられています。
季節や時間帯に頭を悩ませることなく洗濯ができます。以前は室内干しのスペースがなくリビングに代用されていたそうで「リビングから直接見えない所で洗濯ものが干したい」とのご要望から、脱衣室に可動式のハンガーパイプを2段設けました。
天井には無垢の杉板をつかい、心地の良さも忘れません。
お風呂は手入れの手間を考慮し、ユニットバスを採用しています。
トイレは玄関ホールに
脱衣室同様天井と床には無垢の杉板を採用。温かみのある質感と優れた調湿性により、居心地の良い空間になりました。家のどこに居ても居心地の良さを実感できるよう考えています。
和室
川の流れと畳に癒されるリビングの続き間
座ったり寝転がったりした際に川の流れを楽しめるよう、地窓を配置しました。昔ながらの畳の上でごろんと横になり、のんびりとした時間を過ごすのも良いですね。
壁は宙石(そらせき)を配合した珪藻土を使い仕上げています。
【宙石とは】
太古の海底で生成されたマイナスイオン等の微弱なエネルギーを持つ石で、体内の活性酸素の除去により血流をスムーズにする効果が期待できます。珪藻土の持つ調湿効果や抗酸化効果も相まって、健やかな暮らしを支える空間となっております。
扉は二枚とも引き込むことが可能。段差のないバリアフリーと天井までのハイドア仕様なので、リビングと繋げても一体感があります。
ゲストルームなど個室として活用したりと必要に応じて使い分けられる多様性のある一室です。
畳の下は全面収納スペースとなっており、普段使わないものや決まった季節にだけ使うものを収納できるようになっています。
また、床の間と仏間を設け、床の間にはご主人の書作品を飾るために落し掛けを取り付けました。
エントランス
玄関入ってすぐ隣には広めの納戸があり、荷物を一か所にまとめて収納しておくことが出来ます。食品庫として使ってもよし、ハンガーパイプが設置されているので帰宅時のコート掛けスペースなど色々な用途に使うことが出来ます。
コンクリートの押さえ仕上げにより、シンプルですっきりとした玄関土間。
横に設けた土間収納。靴やアウトドア用品などを収めるスペースとして活躍します。
2階
収納力を備えた個室と趣味スペース
書道をたしなむご主人のご希望で、2階の階段ホールの一角に畳スペースをつくりました。書道の他にも読書を楽しんだり、昼寝をしたりとご家族が思い思いに過ごせる場所となりました。
コンパクトな寝室ながら、押し入れとウォークインクローゼットがあり大容量の収納があり、モノが散らからないようにしています。
寝室と廊下に通じる回遊型のウォークインクローゼットは、朝や帰宅時の動線をスムーズにしてくれます。
造り付けの可動棚は息子さんのオーダーサイズで、本や漫画を並べられるように設計されています。
また造作の棚は、洋服をかけたり衣装ケースを並べたりできるようになっています。
クローゼットの仕切りも使われたい用途にそってカスタマイズ。おしゃれな娘さんが服をたくさん掛けられるように中段や仕切りをなくし、ハンガーパイプも2段にしました。
造作家具の良さ
造作家具には家具の買い足しや転倒の心配をなくすだけでなく、暮らしにフィットする仕様、建材と同じ素材で作ることによる統一感を生み出せる強みがあります。
住まいに合わせた家具を探すのは意外と手間がかかるため、気持ちの良い新生活を迎えるための重要なポイントと言えます。
外 観
美しくメンテナンスのいらない焼杉
外壁には天龍焼杉を使用しています。
1本1本手焼きで作られる天龍焼杉は一般的な外壁材よりも高価な素材ですが、炭の層が厚いため耐久性が高くメンテナンスの必要もほぼありません。さらに落ち着いた高級感と野外になじむ外観も兼ねてくれますので「良いものを長く使う」ことの魅力を感じていただけるかと思います。
アプローチ廻りには、焼いていない杉材をアクセントとして使用しています。
杉材は自然塗料いろはの紺鼠(こんねず)という和の色を塗りました。
玄関ドアはユダ木工さんによる職人仕上げ。気密性断熱性を損ねることなく国産ヒノキ材の香りと手触りも楽しめる、弊社ではオススメの逸品です。
日光や風を感じられる場所として南にウッドデッキを作りました。
縁側だけでなく洗濯物の外干しやお庭でBBQをされる際の椅子代わりにもなり、家の中と外を繋ぐスペースとしても活躍する場所になりそうです。
強度を確保しつつ部屋をひとつに統合できる構造躯体
将来お子様が巣立たれ、ご夫婦のみで住まわれる際は、間仕切りをとり広いお部屋としてお使いいただけます。
「後のち必要に応じて壁が取れるように」と考え、最後に壁を作りました。
施主様の声
冬は暖かく、夏は涼しく、木の温もりを感じられる家に魅力を感じ、私たちもそんな家を作りたいと思いました。
家族それぞれが想いを出し合い、家作りに関われたことで、みんなが満足できる家に仕上げてもらいました。
新しい家での生活が楽しみです。
担当者より
ご家族お一人おひとりのご要望をお聞きし、イメージを共有しながらやりがいのある計画を進めさせていただきました。新しい暮らしへの思いが詰まった家づくりに携わることができたのが光栄です。場所も通りから少し入った所で交通量も少なく、静かでいい場所だなと感じました。
完成時、家に入られて一番に「木の香りが良い」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
自然素材ならではの温もりを感じながら、ご家族で楽しく使っていただけたらと思います。