丹波の家
定年後の暮らしに向けて、緑豊かな丹波の地で平屋のプランが始まりました。
敷地の南側に広がる、のどかな景色を日常に取り入れることを軸に、動線やインテリア等ご夫婦のこだわりを随所に散りばめた住まいです。
間取りは玄関を家の中心に、片側にはパントリーから続くLDK、反対側に寝室、その間に水回りや仕事部屋を配置。シンプルながらも回遊動線があり、延べ床面積を抑えた設計となっております。
家族構成 |
ご夫婦 |
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兵庫県丹波市 |
平屋、約28坪 |
丹波の家の特徴
・上質な珪藻土を家中に活用
収納スペース以外には宙石(そらせき)が入った珪藻土を使用しています。宙石は調湿効果に加えて体を暖めたり生体バランスを整える効果があると言われており、睡眠の質の向上が期待されます。
・バリアフリー設計
室内バリアフリーとドアは引き戸を採用。施主様がご両親の介護を通じて得た経験を住まいに取り入れています。
・一台のエアコンで家中を温める床下空調
リビングのエアコン一台で家中を温める床下空調を設置しています。トイレや洗面室、クローゼットにも空調の吹き出し口を設け温度差を軽減しヒートショック予防に役立てています。
LDK
絵のように景色を取り入れる
田畑と山を望む南側に片開きと固定窓の大開口木製サッシを採用し、光と景色を取り入れました。西側は片引きの開口に戸袋を設けることで、完全に開けられるようになっています。
床材は共通してオーク材のフローリングを張っています。枠材や棚板等もオーク色で塗装したため統一感があります。
天井は勾配天井としタモ材を。あえて無塗装にすることで経年変化が楽しめます。また、キッチン上の天井に張った杉がアクセントになっております。
壁と天井にオーク、タモ、杉と材を変えることでメリハリのある空間に仕上がりました。
壁には日本珪藻土協会の珪藻土を塗り、自然素材ならでは風合いが感じられる空間になりました。珪藻土は木材の意匠的な相性だけでなく、調湿性に優れるためオススメです。
キッチン
キッチンは施主様のご要望からウッドワンの木製キッチンを採用。木の温かさを感じながら料理を楽しめる逸品です。
キッチンカウンターが一体になっているため幅が広くゆったりと使用することができ、腰壁を作る必要がないので見た目もすっきりとしてダイニングとの行き来がスムーズに行えます。キッチンからも南側景色を楽しめる配置になっています。カップボードの上部には施主様が選ばれたタイルを張らせていただきました。
奥様用ワークスペース
キッチンの横には奥様用のスペースとしてデスクを設けました。窓の前のFIX窓から緑の景色が飛び込みます。こちらでミシンをされたり読書を楽しむ予定です。すぐに本が読めるようにデスク傍には造作の本棚があります。
基礎などの関係で24時間換気の点検口がデスク周りにあるため、床材に馴染むよう大工さんに蓋を造作してもらいました。点検口特有の樹脂の縁がなく見た目もスッキリしています。
壁スイッチと連動した床下コンセント
ソファの下に位置する場所にはフロアコンセントを設けました。こちらはスタンドライトの電源として利用します。スイッチ付のコンセントなので普通の照明器具のようにスイッチでオンオフができるようになっています。
床下エアコン付き造作テレビボード
造作のテレビボードの下には冬用のエアコンを設置し、前面には着脱可能の通風孔(ガラリ)を設けました。
この床下エアコンは、風が床下を通って家全体に伝わり1台で家中を温める仕組みになっています。壁に設置しないため見た目がスッキリしており、部屋のデザイン性を損ないません。
造作建具
廊下からリビングに入る建具は格子型にし、キッチンからパントリーに続く建具にはチェックブロック柄のガラスを入れてシンプルになりすぎないよう工夫されています。
いずれも廊下に光を届けられるよう明かり取りが入ったデザインとなっています。
ウッドデッキ
外部には南側、西側をつなぐL字型のウッドデッキを設け、外と内を繋げる空間づくりをしました。南側には ベンチがあり景色や自然を感じながら過ごせるようにしています。西側のデッキ上部は屋根をかけることで室内の西日を遮るとともに、オープンのウッドデッキに比べて外部でありながら程よく落ちついた空間として使用できます。また日陰が出来ることにより日差しがある時でも過ごしやすいので、外に出てゆっくりできる頻度が多くなり、より自然との繋がりを楽しむことができます。
パントリー
奥様のこだわりの一つであり、玄関からパントリー、キッチンへと続く動線を意識して当初から設計を重ねていた箇所でもあります。
冷蔵庫はパントリーの中に、横には棚を作り、調達した食材を買いスムーズに冷蔵庫の中にしまうことができます。分電盤、床下点検口などもここに集約されています。
廊下に面する壁の上部を開けることで圧迫感をなくし、明るさを確保するために廊下の光を取り込む工夫が凝らされています。
水まわり
洗面脱衣室
ゆったりとした造作洗面を設け、床は手入れのしやすいコルクタイルを採用しました。
水はねが気になる洗面の立ち上がり部分には、タイルを張っています。こちらのタイルも施主様に選んでいただきました。洗面器は深型のものにすることでお洗濯の予洗いやつけ置きなどへの活用も可能です。冬の寒さ対策として床下エアコンの風が届くよう、吹き出し口が設置されています。
浴室
TOTOのサザナシリーズのお風呂です。お手入れをしやすくするために鏡などの付属品をなくしたシンプルなお風呂を採用しました。
トイレ
将来のことも考え、ゆったりとした広さになっています。手洗い器、照明は施主様に選んでいただきました。また、こちらの珪藻土の壁は施主様に塗っていただきました。
書 斎
南側には書斎があります。季節ごとに彩を変える景色を眺めながらデスクワークに没頭できる贅沢な空間。部屋は3畳ほどで程よく「こもり感」があり、集中するには丁度良い大きさです。
備え付けの机に本棚を造作し、家具を新たに用意する手間を省きつつ統一性を持たせています。それぞれの寸法は使用するものに合わせて作り込まれており、机、テレビボード、棚などを造り付けにする設計は注文住宅ならではの一体感を生み出しています。
これら「一体感」はセイチョーが家づくりで大切にしているもののひとつです。
寝 室
明るい時間にも寝られるように、窓には明るさを調整する建具を設置しました。落ち着いた雰囲気を出すために照明の数も少なめになっております。
ウォークインクローゼット
寝室の隣のウォークインクローゼット。服をかけるスペースが3面あり、上部には布団も季節ものの布団などを置けるよう奥行きの深い棚となっています。
作り付けの扉にはエアコンの風を通すための通風孔とコーディネートを確認するための鏡が付いています。
玄 関
玄関ドアは気密性に優れた木製のものを採用し、扉を開けて正面の壁には木製のデザインウォールを張っております。
たたきとホールにまたがるように造作したベンチと手摺は、靴の脱ぎ履きや荷物の一時置き活躍してくれること間違いなしです。
シューズクローゼットには十分なスペースがあり、土間収納として活用することもできます。
外 観
美しくメンテナンスのいらない焼杉
外壁は天龍焼杉を使用しています。
一枚一枚手焼きされているため、機械焼きの焼杉よりも炭化層が丈夫でメンテナンスの心配がいりません。
他の外壁材にはない風合いも魅力の一つです。
施主様に家づくりの感想を伺いました
自然豊かな丹波の地にようやく焼杉の我が家が完成しました。ここに至るまで色々な事がありましたがこうやって新居でコメントできる状況にあることをうれしく思います。
着工するまでの図面上でのやり取りは、一度決めたもののやはり迷いが出て変更してもらった事が何度あったでしょうか。考えれば考えるほど正解がわからなくなるほど悩んだところもいくつもありましたが、根気よくまた気持ちよく対応いただいたこと、感謝しております。
上棟に立ち会い、屋根の一部となる棟を自分たちで納めたことや、トイレの壁の珪藻土を塗らしてもらったりしたことが、自分たちも家づくりに参加しているのを実感でき、すごくいい思い出となっています。
私達の希望はこの自然豊かな地で四季を通じて快適に、安全に過ごせる家で生活を楽しみたい、ということでした。それが叶ったのかはこれからの生活で実感していきたいと思います。それがすごくワクワクします!
ですのでセイチョーさんにはこれからも色々相談にのっていただきたいので末永く我が家を見守っていただき、お付き合いのほど、よろしくお願いします。
担当者より
写真では表現しきれない自然の豊かさを感じられる所で、足を運ぶたびに緑に癒されていました。上棟時も施主様と上まで登って景色を堪能させていただくこともありました。何度も打合せを重ねて計画していたお住まいという事もあり完成するのが楽しみでした。とても良いお住まいが出来上がったなという気持ちです。
自然素材をふんだんに使っているのでどのように経年変化してくか、施主様の手でどのように家が育っていくか今から楽しみです。メンテナンスやライフスタイルの変化に伴うご相談など、長いお付き合いが始まりました。あらためてこれからもよろしくお願いいたします。